プラグインが落ちても音は止まらない!Bitwigの「サンドボックス構造」が最強の安心感をくれる理由

DTMをやっていて一番怖いこと。それは、「一生懸命作っていた曲が、プラグインのクラッシュ(強制終了)と一緒に消えてしまうこと」ではないでしょうか。

画面がフリーズし、マウスも動かなくなり、数時間の作業が無に帰すあの絶望……。 Bitwig Studioは、そんな「DTM最大の悲劇」を防ぐために、「サンドボックス(砂場)」と呼ばれる非常に賢い仕組みを採用しています。

サンドボックス構造とは?「プラグインを隔離する」という発想

通常のDAWでは、一つの大きな部屋に「DAW本体」と「全てのプラグイン」が一緒に詰め込まれています。そのため、誰か一人が転ぶ(クラッシュする)と、道連れになってDAW全体が落ちてしまいます。

しかし、Bitwigのサンドボックス構造なら、プラグインは本体とは仕切られた「砂場」の中に隔離されています。たとえプラグインが暴れても、砂場の外にいるDAW本体(オーディオエンジン)には影響が及びません。

「プラグインはいつか落ちるもの」という前提で作られているからこそ、Bitwigは驚異的な安定度を誇るのです。

PCのパワーに合わせて選べる「5段階の安全レベル」

Bitwigでは、設定画面(Plug-in Hosting)から、PCのスペックや好みに合わせて隔離の仕方を5段階で選べます。

  1. with Bitwig(Bitwig内) 隔離を行わず、DAW本体と同じ場所で動かします。最もPCへの負荷(メモリ消費)は少ないですが、従来通り道連れになるリスクがあります。
  2. Together(一緒) 全てのプラグインを、DAW本体とは別の「1つの砂場」にまとめます。DAW本体は守られますが、プラグインの誰かが落ちると全プラグインが停止します。
  3. by Vendor(供給元別) メーカー(Waves、Arturiaなど)ごとに砂場を分けます。プラグイン同士が通信する必要がある場合はこの設定が必要になる場合があります。
  4. by Plug-in(プラグイン別) 同じ種類のプラグインごとに砂場を分けます。例えば「Serum」が3つあっても1つの砂場にまとめられ、Serumが落ちても、PigmentsやBitwig本体は無傷でいられます。
  5. Individually(個別) 最強の安全設定です。立ち上げたプラグイン「1つひとつ」を完全に個別の個室に隔離します。メモリは使いますが、誰一人として道連れにしない、まさに鉄壁の守りです。

クラッシュしても「ワンクリック」で復活

もしプラグインが落ちてしまった「Plugin crashed」という通知が表示されますが、画面に表示される「Reload Plug-in」ボタンを押すだけで、そのプラグインが再起動し、元の設定のまま復活します。

プロジェクトを保存してDAWを再起動する……なんていう、これまでの「当たり前」だった苦労はもう必要ありません。「このプラグイン、古いから重いんだよな……」「この最新音源、バグがないか不安……」 そんな心配をしながら恐る恐る操作する時間は、もう終わりです。

で、実際どうなの?

色々書きましたが『じゃあ実際全然落ちないの?』と言われれば決してハイとは言えません。落ちるときは落ちます。特にベータ明けとか新しいバージョンアップ後はその傾向が強いように思います。

ただし私の経験上プラグインはクラッシュしてもBitwig本体がガッツリ落ちたのはここ数年でも数えるぐらい。以前使っていたDAWとは比べ物にならないぐらい安定しています。それに再度立ち上げると落ちる前の状態に復旧しようとしてくれるし、自動バックアップも取られてるので落ちてイチからやり直しという経験は無いです。

まとめ

Bitwig Studioは、トラブルに怯える時間を減らし、純粋にクリエイティブな時間を増やしてくれるDAWです。

私のように「休日、ゆるりと音楽を楽しみたい」という人間にとって、この「絶対に音楽を止めない」という安心感は、どんな高価なプラグインよりも価値がある機能だと感じています。